フランス語の発音を身につけるトレーニングや難しい発音の上達のポイントとは?

顔に本を被せて練習する女性

ここではフランス語の発音について、フランス語を学び始めた方や、発音を身につけるためのコツを知りたい、発音のルールを知りたい、という方に向けて紹介していきます。

フランス語の学習を続けている中で、多くの方が最初に感じる大きな壁の1つは「発音」ではないかと思っています。

確かにフランス語に限らず、母語以外の言語を学ぶ上で「発音」は確かに最初に感じる壁であり、特にフランス語ではこの壁を乗り越えると一気に楽しくなるのも事実です。

フランス語の発音を効果的に身につけるため、ここでは下記のことについて学習していきます。

【この記事で学べること】

  • アルファベットの紹介と発音
  • 母音の発音
  • 鼻母音の発音
  • 半母音の発音
  • 子音の発音
  • lとrの発音
  • アクサン(綴り字記号)と句読点
  • リエゾンとは?
  • エリジオンとアンシェヌマンとは?

フランス語の学習を始めたとき、発音の多さや初めて見る発音方法があり、最初は誰でも身構えてしまうと思います。

しかし、上で紹介した内容を1つ1つ見ていくと、意外と規則性があったり、私たち日本人に馴染みのある音が使われていることに気がつき、最初に感じた不安ほど難しくない、ということに気がつくと思います。

1つ1つの項目をしっかりと確認し、学習することで、読み終る頃にはフランス語をより楽しく、美しく発音できるように成長していますので、まずは「フランス語の発音 = 難しい」という先入観を一度取り払って、この記事を読み進めてみてください。

ぜひ、気持ちを楽に頑張って学んでいきましょう。

 

目次

アプリを活用して正しいフランス語の発音をトレーニングしよう

アプリで発音練習のイメージ

フランス語の発音を練習し、身につけようと思ったとき、とても有効なのが携帯のアプリを活用することです。

フランス語には日本語にない発音が多いため、毎日コツコツ練習することがとても大事になり、忙しい日常の合間にスマホアプリを有効に活用して発音練習することで、上達のスピードも一気に加速します。

ここでは無料で使える便利なアプリを3つご紹介致します。

Nemo フランス語

対応:Android、iOS
このアプリは、単語や熟語をネイティブの音声で聞くことができます。
録音機能もあるので、自分の発音を録音して、正しい発音との比較ができて便利です。
発音は正しい発音を繰り返し聞き、それを真似して発音し、その自分の声を録音して、正しい発音と自分の発音を比較して修正することで上達しますので、それをこのアプリ1つでできます。

nemo フランス語

nemo フランス語

Nemo Apps LLC無料posted withアプリーチ

 

Mondly

対応:Android、iOS
こちらのアプリでは、33の外国語を学ぶことができ、その中にはフランス語も含まれ、全てネイティブスピーカーによる発音レッスンです。
デイリーレッスン形式で、毎日新しいレッスンを受けることができます。
発音練習は毎日コツコツやることが重要なので、楽しくゲーム感覚で学べるアプリになります。

Mondly: 33の言語を学習する

Mondly: 33の言語を学習する

ATi Studios無料posted withアプリーチ

 

Mepro

対応:Android
Meproは発音に特化して学べるアプリになります。
発音の音声を真似するだけではなく、音を出すときの口の形や舌の位置などを動画で確認でき、視覚的にも発音を学ぶことができます。
発音の際は、口の開け方や舌の置き場がとても重要になり、発音記号を見て、口の開き方や舌の位置を確認することは難しいと思いますので、このアプリがあれば、発音とその発音をするときの口や下の動きも同時に学ぶことができます。

Meprolight

Meprolight

Meprolight無料posted withアプリーチ

 

フランス語のアルファベットの発音

アルファベットの発音を学ぶ子供

最初に発音の基本となるアルファベットから勉強していきましょう。

アルファベットはフランス語では「ALPHABET(アルファベ)」となり、26文字からなります。
それぞれの文字の読み方について、カタカナで紹介、発音記号を[ ]の中に入れて表にして紹介しています。

フランス語アルファベットの表

各アルファベットの発音については、この後に紹介する母音や鼻母音、半母音や子音の項目で紹介していきますので、それぞれの発音の特徴やコツを確認しながら練習していきましょう。

 

フランス語の母音の発音方法

母音の発音練習をする女性

ここではフランス語の母音とその発音について学んでいきましょう。

日本語における母音は「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」の5個であることはご存知だと思いますが、フランス語における母音はその3倍以上の16個あります。

この16個の母音は、大きく「口むろ母音」と「鼻母音」の2種類に分けることができ、その数は下記になります。

・口むろ母音  12個
・鼻母音     4個

ここではまず最初に、口むろ母音から学習していきましょう。

口むろ母音とは、口から息を出して発音する母音を指します。

発音のポイントは、鼻からは息を吐き出さず、口からのみ息を出して発音することです。

口むろ母音の中には、日本人に馴染みがあり、発音がしやすいものが多くある反面、最初は日本人には聞き分けすら難しい母音もいくつかありますが、それらも練習を続ければ必ず発音できるようになるので安心してください。

それぞれの口むろ母音について紹介していきますので、声に出して練習しながら見ていきましょう。

ア[a]

日本語の「ア」とほぼ同じように発音します。
日本語の「ア」は口を丸い形にして発音しますが、フランス語の[a]は、日本語の「ア」を発音するときより少し口角を上げるイメージで口を横に広げ、その状態で「ア」と発音するのがポイントになります。
少し明るい音になるはずです。

例)ami アミ 友人

⬇️amiの発音の確認はこちら⬇️

 

イ[i]

日本語の「イ」と基本の音は一緒ですが、より鋭く強く発音します。
日本語の「イ」の場合は、少し口が緩んでいるかと思いますが、フランス語の[i]を発音するときは、口を思いっきり横に引っ張って発音するのがポイントになります。
少し奥歯が少し噛み合うくらい、口を左右に開いて発音すると日本語の「イ」よりも鋭い音で発音ができます。

例)stylo スティロ 万年筆

⬇️styloの発音の確認はこちら⬇️

 

ユ[y]

日本語の「イ」と「ウ」の中間のような音をイメージして発音し、日本語の「ユ」に近い音になります。
日本語の「ウ」を発音するように口を突き出し、舌は口の前方に出し、下の歯に舌先が当たるようなイメージで、息はなるべく強く吐き出し、鋭く発音するのがポイントになります。

例)sur スュル 〜の上に

⬇️surの発音の確認はこちら⬇️

 

ウ[u]

日本語の母音の「ウ」に似た発音になります。
口を思いっきりすぼめて突き出し、舌は奥へ引っ込め、舌先は下顎付近に当たるように発音するのがポイントになります。

例)couleur クールール 色

⬇️couleurの発音の確認はこちら⬇️

 

ウ[ø]

日本語の「ア」と「ウ」の中間のような音をイメージして発音します。
日本語にはない音なので初めは戸惑うかもしれませんが、日本語の「ウ」を発音するときのように口をすぼめ、舌は広げて、舌先だけ丸めて口から息を出して日本語の「ア」を発音するのがポイントになります。
少しこもった感じの音になれば正しい発音です。

例)feu フ 火

⬇️feuの発音の確認はこちら⬇️

 

ウ[œ]

日本語にはない音なので難しく感じるかもしれませんが、前出の[ø]の発音と区別する必要はありません。
音はウ[ø]とほぼ同じで、口の大きさを[ø]よりも大きく開き、息が出る穴を広く開いて発音するのがポイントになります。

例)sœur スール 妹

⬇️sœurの発音の確認はこちら⬇️

 

ウ[ə]

日本語の母音の「ウ」に最も近い発音になります。
日本語の「ウ」は口を突き出して発音しますが、フランス語のウ[ə]は、口の筋肉と息を緩めながら発音することがポイントになります。
ぼーっとしたときに口が開いてしまうときのイメージで、ゆっくり息を吐きながら発音してみましょう。

例)petit プティ 小さい

⬇️petitの発音の確認はこちら⬇️

 

エ[e]

日本語の「イ」と「エ」の中間のような音をイメージし、日本語の「エ」の発音をより鋭い音で発音します。
口の形は日本語の母音「イ」を発音するときのように口の開け方を狭くし、その状態で息を強く吐きながら発音するのがポイントになります。

例)et エ 〜と

⬇️etの発音の確認はこちら⬇️

 

エ[ɛ]

日本語の母音の「エ」とほぼ同じ発音になります。
口の形は[a]と同じく、気持ち口角を上げる感じで口を横に広げます。
日本語の「エ」は口を縦に開けて発音するのに対して、エ[ɛ]は口を横に引っ張り、奥歯と奥歯の間に指1本分入るくらい開けて発音をするのがポイントになります。
[a]と同じく、明るい「エ」と発音できれば正しい発音です。

例)dernier デルニエ 最後の

⬇️dernierの発音の確認はこちら⬇️

 

オ[o]

日本語の母音の「オ」とほぼ同じ発音ですが、最後に小さく日本語の「ウ」が入るイメージで「オゥ」と発音します。
口の形は日本語の「オ」と発音するときに比べ、口の開きを小さくして息が出る穴を狭め、音の長さは短く、口の中で音がこもる感じで発音するのがポイントになります。

例)dos ドォ 背中

⬇️dosの発音の確認はこちら⬇️

 

オ[ɔ]

日本語の「オ」の発音とほぼ同じですが、日本語の「ア」と「オ」の中間のような音をイメージして発音します。
口の形は日本語の「オ」や前で学んだ[o]を発音するときに比べ、口の開きを大きくして発音するのがポイントです。
[o]の発音と区別する必要はなく、最初は口の開け方だけ注意して発音し、徐々に音の違いに慣れていく感じで問題ありません。

例)novembre ノヴァーンブル 11月

⬇️novembreの発音の確認はこちら⬇️

 

ア[ɑ]

諸説ありますが、近代フランス語では、[a]と[ɑ]の発音は区別はしない傾向があります。
最近では全て[a]に傾いているとも言われています。
そのため、[ɑ]の発音については気にせず[a]と同じように発音しましょう。
あえて違いを表現する場合、[a]は明るいイメージの「ア」の発音であるのに対し、[ɑ]は[a]よりも大きく口を開け、暗いイメージで発音するのが正しいです。

例)pas パ 〜ない

⬇️pasの発音の確認はこちら⬇️

 

ここまで、12個の口むろ母音について紹介してきましたが、難しいのは以下の発音が似ているものです。

【発音が似ている口むろ母音】

  • 「ウ」  [ø]と[œ]
  • 「エ」  [e]と[ɛ]
  • 「オ」  [o]と[ɔ]

上記3つの母音については、最初の段階ではそれぞれの発音の違いをはっきり意識せず、同じ発音でも問題ありません。

口の開け方を意識して、音を出し、正しい発音を聞いて比較して練習をすることが重要になり、これを繰り返しているうちに、徐々に耳が慣れて自然にそれぞれの発音ができるようになります。

 

フランス語の鼻母音の発音方法

鼻母音を学ぶ女性

ここではもう1つの種類の母音である鼻母音とその発音について学んでいきましょう。

鼻母音とは、口と鼻の両方から息を抜きながら発音する母音になります。

先に学んだ口むろ母音は口からだけ息を出す母音でしたが、鼻母音は口と鼻の両方から息を出して発音する母音になります。

鼻母音の発音のポイントは、口からよりも鼻から出す息の量を多くするイメージで発音することです。

鼻母音は4つあり、数は少ないですが非常に多くの単語に使われている重要な音になるため、しっかり学習して発音できるようになりましょう。

アン[ɑ̃]

口むろ母音の[ɑ]に対応する鼻母音になり、日本語で「アン」と同じように発音します。
口を縦に四角(長方形)に開くイメージです。
口を大きく開けると、耳たぶの付け根辺りが少し凹みますが、[ɑ̃]の発音をするときもそこが凹むまで口を大きく開け、
鼻と口から息を抜き「アン」と発音するのがポイントになります。

例)plan プラン 計画

⬇️planの発音の確認はこちら⬇️

 

アン[ɛ̃]

口むろ母音の[ɛ]に対応する鼻母音になり、[ɑ̃]と同じく、日本語の「アン」に近い発音をしますが、口の形が異なります。
[ɛ]の発音をするときと同じように、口を左右に大きく引っ張った状態で口角を上げ、その口の状態をキープして、鼻と口から息を抜き、日本語の「アン」と発音するのがポイントになります。

例)maintenant マントノン 今

⬇️maintenantの発音の確認はこちら⬇️

 

オン[ɔ̃]

口むろ母音の[ɔ]に対応する鼻母音になり、日本語の「オン」に近い発音をします。
[ɔ]の発音をするときほど口を大きく開けず、口をすぼめた状態にして鼻と口から息を抜き「オン」と発音するのがポイントになります。

例)oncle オンクル 叔父、伯父

⬇️oncleの発音の確認はこちら⬇️

 

アン[œ̃]

口むろ母音の[œ]に対応する鼻母音になり、日本語の「アン」の「オン」の中間をイメージして発音します。
しかし、これも諸説ありますが現代のフランス語では、[ɛ̃] と[œ̃] はあまり差がなく、区別しない傾向があるようです。
最近では、先に紹介した鼻母音[ɛ̃]で発音をする人が多いようです。
例)parfum パルファン 香水

⬇️parfumの発音の確認はこちら⬇️

 

ここまで鼻母音の4つをご紹介しまたが、実際には[ɛ̃]と[œ̃]がほぼ同じ発音になるため、3つの発音を練習しましょう。

そして鼻母音の発音が上達するために必ず意識すべきことは以下2つです。

【鼻母音の発音を練習するときの2つのポイント】

  1. 鼻と口の両方から息を出すこと
  2. 鼻から抜ける息の量が多いこと

発音をするとき、息使いに注意することはあまりないかもしれませんが、この息使いを意識して練習を繰り返すことで、フランス語ネイティブに近い発音が可能になり、発音ができるようになればヒアリングもできるようになります。

鼻母音の発音を身につけるポイントは、発音の音よりも息使いを意識して何度も練習することです。
発音自体は母音ほど難しくないので、息使いが自然とできるようになる頃には鼻母音の発音が上達しています。

 

フランス語の半母音の発音方法

半母音の練習

ここからはフランス語の半母音とその発音について学んでいきましょう。

半母音とは、特定の母音を短く子音のように発音し、別の母音と一緒にまとまった音として発音する音を指します。

母音が2つあり、その片方が子音のようになり、もう片方が母音として残り、その二つを一緒に発音する音のことを指し、母音を短く、通常の半分程度で発音するため半母音と言います。

半母音になる特定の母音とは以下3つになります。

【半母音になる特定の母音】

  • 「イ」  [i]
  • 「ユ」  [y]
  • 「ウ」  [u]

上記3つが半母音となり、組み合わせも合わせると全部で5個の半母音があります。

フランス語には二重母音というものが存在せず、その代わりとして半母音が存在します。

半母音は数が少なく、必ず規則性があるので安心して学んでいきましょう。

イ[j]

i+母音、母音+il/ill の場合、[i]が半母音になります。
例えば、[ja]であれば日本語の「ィア」のような発音になり、[jɛ]であれば日本語の「ィエ」に近い発音になり、次に続く母音の前で、短く小さく「イ」と発音するのがポイントになります。
また、[j]が単語の最後にくる場合は日本語の「ィユ」に似た発音になります。

例)travail トラバイユ 仕事

⬇️travailの発音の確認はこちら⬇️

 

イユ[ij]

初めに紹介した半母音[j]の前に[i]が組み合わさった半母音になり、子音+ill の場合が当てはまります。
日本語の「イユ」、またはもう少し伸ばした感じで「イーユ」と発音をするのがポイントになります。

例)fille フィーユ 少女

⬇️filleの発音の確認はこちら⬇️

 

ユ[ɥ]

u+母音 の場合、[y]が半母音になります。
例えば[ɥa]であれば日本語の「ュア」、[ɥɛ]であれば日本語の「ュエ」に近い発音になります。
次に続く母音の前で、短く小さく「ユ」と発音するのがポイントになります。
[y]の発音自体が日本語にはない音なので、日本語の「イ」と日本語の「ウ」の中間のような音をイメージして練習しましょう。

例)nuit ニュイ 夜

⬇️nuitの発音の確認はこちら⬇️

 

ウ[w]

ou+母音 の場合、[u]が半母音になります。
例えば[wa]であれば日本語の「ゥア」、[wɛ]であれば日本語の「ゥエ」に近い発音をします。
次に続く母音の前で短く小さく「ウ」と発音するのがポイントになります。

例)ouest ウェスト 西

⬇️ouestの発音の確認はこちら⬇️

 

ゥア[wa]

上記の[w]の後に[a]が足されたものになり、スペルでは oi /oy が当てはまります。
発音は日本語の「ゥワ」に近い音で発音をするのがポイントになります。

例)oiseau ゥワゾ 鳥

⬇️oiseauの発音の確認はこちら⬇️

 

ここでは5個の半母音を紹介してきましたが、半母音の発音が上達するポイントは以下3つになります。

【半母音の発音で心がける3つのポイント】

  • 短く
  • 小さく
  • しっかりと聞こえるように

この3つを意識して発音の練習をすることです。

日本語は単調に発音する単語が多いため、私たち日本人は、強弱をつけて音を出すことにあまり慣れておらず、短い単語の中で強弱をはっきり発音する半母音は初めは難しく感じるかもしれません。

発音をするときのポイントは、日本語の早口言葉を言うように練習することです。

半母音はフランス語特有の発音で、この半母音があるからこそ、フランス語の美しい発音がある、と言っても過言ではありません。

フランス語のネイティブ発音に近づくため、繰り返し発音し、正しい音声と比較をして練習しましょう。

 

フランス語の子音の発音方法

猫とコーヒー

ここではフランス語の子音について学習していきましょう。

フランス語の子音には、強く発音するもの、全く発音しないものまで数多くあり、ここではフランス語の17個の子音についてご紹介していきます。

17個というと数が多くて覚えられるかなと不安にあるかもしれませんが、 意英語読みと似ているものが多くあるので、すでに馴染みのある音も多いと思います。

17個の子音のうち[l]と[r]は次の項目で詳しく解説しますので、ここではそれ以外の15個を学んでいきましょう。

[b]

英語の「b」とほぼ同じ発音になります。

例)bon ボン 良い

⬇️bonの発音の確認はこちら⬇️

 

[d]

英語の「d」とほぼ同じ発音になります。

例)dos ドォ 背中

⬇️dosの発音の確認はこちら⬇️

 

[f]

英語の「f」とほぼ同じ発音になります。
日本語にはない発音ですが、英語の「flower」の「f」の部分を発音するときと同じような発音になります。
顎を引くイメージで下唇を少し巻き込み、下唇の上に前歯を軽く当てて息を出して発音するのが上達のポイントになります。

例)fille フィーユ 少女

⬇️filleの発音の確認はこちら⬇️

 

[v]

英語の「v」とほぼ同じ発音になり、[f]に音を加えた有声音です。
[f]を発音するときと口の形は全く同じ状態で、音を出して発音するのがポイントになります。
少し下唇が震えていたら正しい発音ができている証拠です。

例)vin ヴァン ワイン

⬇️vinの発音の確認はこちら⬇️

 

[ʒ]

英語の「j」の発音とは異なりますが、似ている発音になります。
例えば、英語の「j」の発音は「ji」になり、日本語の「イ」の音も入っているのに対し、フランス語の発音は「j」の部分だけ発音するのがポイントになります。
口を軽く開けた状態で、舌先をどこにも当てずに発音してみましょう。

例)juillet ジュイエ 6月

⬇️juilletの発音の確認はこちら⬇️

 

[g]

英語の「g」とほぼ同じ発音になります。。

例)garçon ギャルソン 少年

⬇️garçonの発音の確認はこちら⬇️

 

[k]

英語の「k」とほぼ同じ発音になります。

例)comprendre コンプラーンド 理解する

⬇️comprendreの発音の確認はこちら⬇️

 

[m]

英語の「m」とほぼ同じ発音になります。
[m]の後ろに母音が付くと、日本語のマ行の発音とほぼ同じになります。
また、単語の最後に[m]がつくときはしっかりと最後まで発音し、その場合は日本語の「ム」に近い発音になります。

例)marcher マルシェ 店

⬇️marcherの発音の確認はこちら⬇️

 

[n]

英語の「n」とほぼ同じ発音になります。
「n」の後ろに母音が付くと、日本語のナ行とほぼ同じ発音になります。
また、単語の最後に[n]がつくときはしっかりと最後まで発音し、その場合は日本語の「ンヌ」に近い発音になります。

例)non ノン (否定の意味の)いいえ

⬇️nonの発音の確認はこちら⬇️

 

[ɲ]

英語の「n」と似ている発音ですが、全く異なります。
[n]は日本語の「ナ」行に近く、
[ɲ]は日本語の「ニャ」「ニュ」「ニョ」に近い発音です。
また、その音が始まる前に日本語の「ン」が小さく入る感じで音を出します。

例)montagne モンターニュ 山

⬇️montagneの発音の確認はこちら⬇️

 

[p]

英語の「p」とほぼ同じ発音になります。

例)pain パン パン

⬇️painの発音の確認はこちら⬇️

 

[s]

英語の「s」とほぼ同じ発音になります。
「s」の後ろに母音が付くと、日本語のサ行とほぼ同じ発音になります。
フランス語の[s]の後ろに母音がつく場合、日本語のサ行の発音に比べて、母音よりも「s」をより強調した発音をするのがポイントになります。

例)soir ソワール 夜

⬇️soirの発音の確認はこちら⬇️

 

[ʃ]

上記の[s]と似ていますが、全く異なる発音になります。
[s]は日本語のサ行の発音に近く、[ʃ]は日本語の「シャ」「シュ」「ショ」に近い発音になります。
特徴は[s]も[ʃ]も日本語に比べて母音部分の発音をグッと抑えた音になっています。
[s]は日本語の「ス」の母音の「ウ」を抜かしたような発音、[ʃ]は日本語の「シ」の母音の「イ」を抜かしたような発音になるのがポイントです。

例)marcher マルシェ 店

⬇️marcherの発音の確認はこちら⬇️

 

[t]

英語の「t」とほぼ同じ発音になります。

例)table ターブル 机

⬇️tableの発音の確認はこちら⬇️

 

[z]

英語の「z」とほぼ同じ発音になります。

例)zoo ゾ 動物園

⬇️zooの発音の確認はこちら⬇️

 

15個の子音を見てきましたが、日本語や英語の発音で馴染みのある音が多かったのではないでしょうか。

発音自体はすでに馴染みがあり、音を出すのは難しくはなくても、発音記号の読み方は英語と全く異なるため、英語と混在して間違えてしまうこともあるかもしれません。

言語を習得する上で発音を正しく覚えることは重要なので、発音記号に注意しながら学習していきましょう。

 

フランス語の子音「l」と「r」の発音

発音練習中の女性

ここではフランス語の子音の中でも、特に難しいとされている[l]と[r]の発音について学習していきましょう。

フランス語の[l]と[r]の発音は、最も難しく、つまづきやすいと言っても過言ではなく、特に[r]の発音は、日本語にも英語にも近い発音がないので苦戦しますよね。

口の形や舌の位置をしっかり確認しながら発音していくことで、聞き取りも発音もできるようになりますので、しっかりと学習していきましょう。

[l]

英語の「l」に近い音になりますが、英語の「l」より短い発音になり、日本語のラ行に近い発音になります。
口を軽く開けて舌を丸めて舌先は上顎に軽く当て、息を吐き音を出すと同時に舌を上顎から離して発音するのがポイントになり、コツは英語と日本語よりも音をずっと短くすることです。

例)langue ラーング 舌

⬇️langueの発音の確認はこちら⬇️

 

[r]

フランス語の[r]の発音が、もっとも難しい発音と言っても過言ではなく、英語の「r」とも全く違う発音になります。
発音するときのイメージで最も近いのは、イビキをかくときの音です。
イビキをかくとき、喉の奥が震えている状態になりますが、まさにあの喉の動きが最も近いです。
口は軽く開け、舌先を下の歯に軽く当てて動かさず、舌は絶対に動かさないことが口と舌の動きのポイントになります。
この状態をキープしながら、イビキをかくような音を出してみてください。
喉を擦り合わせるような摩擦音になっていれば正しい発音ができていることになります。
すぐできるようになるものではないので、何度も練習して身につけていきましょう。

例)regarder ルガルデ 〜を見る

⬇️regarderの発音の確認はこちら⬇️

 

いかがでしたでしょうか。
今までの母音と子音の発音と比べると難易度が少し上がったように感じたと思いますが、この[l]と[r]の発音が上手くできるかできないかで、フランス語を日本語読みしている発音なのか、ネイティブに近い発音ができているのかが決まってきます。

数日でマスターできるものではありませんので、毎日短時間でも練習してフランス語の[l]と[r]の発音を身につけていきましょう。

 

フランス語特有の「アクサン(綴り字記号)」の発音と句読点

ホワイトボードでプレゼンする女性

ここではフランス語特有のアクサン(綴り字記号)と句読点について紹介していきます。

初めてフランス語を見たときや学び始めたとき、フランス語特有のアクサン(綴り字記号)を見て、「どうやって発音するんだろう」と戸惑ったかもしれません。

しかし、アクサン(綴り字記号)自体の数は多くなく、発音も難しくないので、単語を学んでいく中でスペルの一つとして覚えていくくらいの心構えで学んでいきましょう。

アクサンテギュ accent aigu

記号はアルファベットの上に付く「´」になり、アルファベットの「e」にしか適用されない記号になります。
音は日本語の「エ」とほぼ同じですが、日本語の「エ」の発音時よりも口角をあげて左右に広く開き、より鋭く発音をするのがポイントになります。

例)école 学校

⬇️écoleの発音の確認はこちら⬇️

 

アクサングラーヴ accent grave

記号はアルファベットの上に付く「`」になり、アルファベットの「a」「u」「e」に適用される記号になります。
「a」「u」に関しては記号が付くことによる発音への影響はなく、「e」はアクサンテギュが付いた「é」と同じ発音になります。

例)très とても

⬇️trèsの発音の確認はこちら⬇️

 

アクサンシルコンフレックス accent circonflexe

記号はアルファベットの上に付く「^」になり、アルファベットの「a」「i」「u」「e」「o」に適用される記号になります。
「a」「i」「u」「o」に関しては記号が付くことによる発音への影響はなく、「e」はアクサンテギュが付いた「é」と同じ発音になります。

例)île 島

⬇️îleの発音の確認はこちら⬇️

 

トレマ tréma

記号はアルファベットの上に付く「¨」になり、アルファベットの「i」「u」「e」に適用される記号になります。
トレマが付く場合、各母音を単独でそのまま発音します。
例えば、「ai」であれば通常[e]と発音しますが、「aï」の場合には、各母音を単独で発音するため[ai]と発音します。

例)maïs とうもろこし

⬇️maïsの発音の確認はこちら⬇️

 

セディーユ cédille

記号はアルファベットの下に付く「¸」になり、アルファベットの「c」にのみに適用される記号になります。
音は[s]と同じ発音になります。

例)garçon 少年

⬇️garçonの発音の確認はこちら⬇️

 

寝ながら勉強する女性

続いて「句読点」の種類と読み方について、よく使う10個を紹介しますので、学んでいきましょう。

プワン point

記号は「.」になり、日本語の「。」、英語の「.」と同じ役割で使います。

 

ヴィルギュル virgule

記号は「,」になり、日本語の「、」、英語の「,」と同じ役割で使います。

 

プワン ヴィルギュル point-virgule

記号は「;」になり、この記号の前後の文が並置されていることを表します。

 

ドゥ プワン deux-points

記号は「:」になり、説明や列挙をするときに使います。

 

プワン ドゥシュスパンシオン points de suspension

記号は「…」になり、日本語と同じく、文章を省略するときなどに使います。

 

プワン ダンテロガシオン point d’interrogation

記号は「?」になり、日本語や英語と同じく、疑問文や疑問形で使います。

 

プワン デクスクラマシオン point d’exclamation

記号は「!」になり、日本語や英語と同じく感嘆文で使います。

 

ティレ tiret

記号は「‐」になり、会話の前に記載したり、挿入をするときに使います。

 

ギュメ guillemets

記号は「« »」になり、日本語の「」かぎかっこと同じ役割で使います。

 

パランテーズ parenthèses

記号は 「( )」になり、日本語の「 ( ) 」と同じ役割で使います。

 

フランス語のリエゾンとは?

ネットで勉強する女性

ここではフランス語の発音の特徴の1つであるリエゾンについて紹介していきます。

フランス語を初めて聞いたとき、流れるような会話や話し方に戸惑った経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

フランス語の会話が流れるように聞こえる理由は、単語と単語の間に「間(ま)」が入らないからです。

フランス語は、意味がまとまっている言葉の集まりをまとめて1語のように発音する傾向があり、このような発音の仕方は全部で3パターンありますので、それぞれを詳しく紹介していきますので学んでいきましょう。

 

リエゾン liaison

リエゾンとは、2つの単語が続けて1つの単語のように発音されるスタイルになります。

フランス語には、意味のまとまっている言葉の集まりをまとめて1語のように発音するスタイルが、リエゾン、エリジオン、アンシェヌマンの3つがあり、ここではリエゾンについて紹介していきます。

リエゾンという言葉には、もともと「連結」という意味があり、単語を連結しているイメージを持っていただければわかりやすいです。

例えば、「petit ami」は「プティ アミ」ではなく「プティ タミ」となり、「petit」の語尾の「t」と「ami」の語頭の「a」が一緒に発音されるケースを指します。

つまり、1語のみでは発音されることのなかった単語の語尾の子音が、後ろにくる単語の語頭の母音や「h」と一緒になって発音されるようになることをリエゾンと言います。

リエゾンをするパターンには下記3つがあります。

【リエゾンの3つのパターン】

  1. 必ずリエゾンをするパターン
  2. 絶対にリエゾンをしてはいけないパターン
  3. リエゾンをしてもしなくてもどちらでも良いパターン

ここでは2. の、絶対にリエゾンをしてはいけないパターンについて学んでいきましょう。

1. と 3. のパターンはリエゾンをしておけばまず間違いないため、覚えることを最小限に抑得るため、2. の絶対にリエゾンをしてはいけないパターンのみを覚えていきましょう。

絶対にリエゾンをしてはいけないパターンは全部で4種類ありますので1つずつ見ていきましょう。

【絶対にリエゾンをしてはいけない4パターン】

1,  発音する「h」で始まる単語の前
「h」には発音するものと発音しないものがあり、発音する「h」を持つ単語は数多くありません。
そのため、発音する「h」を持つ単語の前ではリエゾンしをないことを覚えましょう。

例)très haut トレ オ とても暑い(トレ ゾ にはならない)

⬇️très hautの発音の確認はこちら⬇️

 

2,  「et」の後ろ
「et」はフランス語で「〜と」という意味の単語で、この単語がきたらリエゾンは絶対しません。

例)un crayon et un livre アン クレオン エ アン リーブル 一本の鉛筆と一冊の本(アン クレオン エ タン リーブル にはならない)

⬇️un crayon et un livreの発音の確認はこちら⬇️

 

3,  主語である名詞の後ろ
名詞と動詞の間ではリエゾンをしませんが、ここで注意すべきは、主語が代名詞である場合はリエゾンをするということです。
例えば「il」のような代名詞のあとではリエゾンをします。
名詞である場合のみリエゾンをしませんので注意しましょう。

例)Mon etudiant est petit. モン エトゥディオン エ プティ 私の生徒は小さい。(モン エトゥディオン テ プティ にはならない)

⬇️Mon etudiant est petit.の発音の確認はこちら⬇️

 

4,  単数名詞+形容詞の場合
単数名詞の後ろに形容詞が続く場合、その間ではリエゾンはしません。
しかしここで注意すべきなのは、単数ではなく複数名詞の場合はリエゾンをすることもあるということです。
必ず行うケースではありませんが、どちらでも良い場合はとりあえずリエゾンしておきましょう。

例)un enfant intelligent アン ノンフォン エンテリジャン 頭のいい子供(アン ノンフォン ティンテリジャン にはならない)

⬇️un enfant intelligentの発音の確認はこちら⬇️

 

リエゾンを絶対にしてはいけない4つのパターンについて見てきました。

この4つをしっかり覚えておけば、その他はリエゾンする、と覚えてしまっても最初は問題ありません。

 

フランス語のエリジオンとアンシェヌマンとは?

発音を勉強する人

ここではリエゾンに続いて、1つの音として発音するエリズィヨンとアンシェヌマンについて紹介していきます。

エリズィヨン élision

エリズィヨンには、母音の省略という意味があり、特に「je」「le」「la」のような語の場合にエリズィヨンをします。
「je」「le」「la」が母音、もしくは無音の「h」で始まる単語の前にくる場合、最後の母音が落ち、「’(アポストロフ)」で前後をつなぎ、一つの音として発音することがあります。

具体的には以下の形と発音になります。

  • je → j’ 発音記号 [ʒ]
  • le → l’ 発音記号 [l]
  • la → l’ 発音記号 [l]

になり、この場合をエリズィヨンと言います。

また一方で、後ろに有音の「h」を語頭に持つ単語が続く場合や子音の場合はエリズィヨンをしないので注意しましょう。

例)je aime → j’aime ジェーム 私は好きだ(ジゥ エーム にはならない)

⬇️j’aimeの発音の確認はこちら⬇️

 

アンシェヌマン enchaînement

語尾が発音する子音で終わる単語の後ろに、母音もしくは無音の「h」で始まる単語がくる場合は新しい音節ができます。
その2語を連続して発音することをアンシェヌマンと言います。

例)il est イル レ 彼は…だ(イル エ にはならない)

⬇️il estの発音の確認はこちら⬇️

 

フランス語の発音のまとめ

カフェの看板

ここではフランス語の母音や子音、フランス語ならではの発音の特徴などについて紹介をしてきました。

外国語の中でもフランス語は特に日本語にはない発音やスタイルがあるため、そこに焦点がいってしまうと、「フランス語は難しい」という先入観が産まれてしまうかもしれません。

この記事では、そのような先入観が生まれやすいことを前提に、ではどこに上達のポイントがあるのか、どこを抑えればいいのかについても紹介しています。

語学は口で発音練習をし続けることで発音ができるようになり、発音ができるようになった言葉は聞き取りもできるようになりますので、毎日少しずつでも発音練習を続けていきましょう。

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