フランス語の「avec」はどんな意味の言葉?その役割と働きとは
ここでは「avec」というフランス語の言葉について、意味や役割とその例文を含めて紹介していきます。
「avec」はフランス語の前置詞になり、「~と一緒に」や「~を使って」という意味でとてもよく頻繁に使い、英語の「with」とほぼ同じ意味、働きの前置詞になります。
また何かを使って行動する手段を表すときや、行動に伴う感情や態度を表すときだけでなく、特定のフランス語表現やイディオムの中でも頻繁に使う前置詞になります。
汎用性の高い「avec」について、しっかりと覚えて使えるようにしていきましょう。
「avec」はフランス語の前置詞、その意味や働きと役割とは
フランス語でとてもよく使う前置詞の1つである「avec」について、覚えておくべき5つの意味と働きを例文も含めて紹介していきます。
1. 「avec」の基本の共同や同伴を表す意味
「~と一緒に」や「~とともに」が基本の意味になります。
「avec」は人や物と一緒に行動することを示し、この使い方が最も一般的な意味になります。
Je vais au cinéma avec mes amis
「私は友達と一緒に映画に行きます」という意味の言葉になります。
この例文の「avec(アヴェク)」は、「〜と一緒に」「〜を使って」という意味の前置詞になり、話し手が「友達と一緒に」行動することを示しています。
「je(ジュ)」は「私」「私は」という意味の一人称単数の主語代名詞になり、話し手自身を表します。
「vais(ヴェ)」は「行く」「行きます」という意味の一人称単数現在形の動詞になり、原形が「aller(アレ)」になります。
ここでは主語「Je」に合わせて「vais」の形に変化しており、この文では現在形であるため、話し手が現在、または近い未来の行動について話していることを示しています。
「au(オ)」は、「前置詞 à + 定冠詞 le 」の縮約形となり、「~へ」「~に」という場所や方向を示す意味になります。
「cinéma(スィネマ)」は「映画館」や「映画」という意味の男性名詞になり、「au cinéma」で「映画館に」という意味になります。
「mes(メ)」は「私の」という意味の所有形容詞になり、「amis(友達)」は複数形であるため、所有形容詞は名詞の性と数に一致させる必要があるという決まりで「mes」になります。
「amis(アミィ)」は「友達」という意味の男性名詞の複数形になり、単数形は「ami(アミィ)」になり男性の友達を表すときに使います。
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Il parle avec sa sœur
「彼は姉と話しています」または「彼は妹と話しています」という意味になります。
この例文での「avec」は、「〜と一緒に」という意味の前置詞になり、「妹と」または「姉と」話していることを示しています。
「il(イル)」は「彼」「彼は」という意味の三人称単数の主語代名詞になります。
「parle(パルレ)」は「話す」という意味の三人称単数現在形の動詞になり、原形は「parler(パルレェ)」になります。
主語の「Il(彼)」に対応する形で現在形が使われているため、現在進行中の行動を表しています。
「sa(サ)」は「彼の」「彼女の」という意味の三人称単数の所有形容詞になり、後ろの「sœur」が女性名詞であるため、その女性名詞に対応して「彼の妹」または「彼の姉」という意味になります。
「sœur(スゥール)」は「姉」「妹」という「姉妹」を意味する女性名詞になります。
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2. 道具や手段を示す「avec」
「~を使って」や「~で」という意味になります。
何かを使って行動するときの手段を説明するために「avec」を使います。
Il écrit avec un stylo
「彼はペンで書きます」や「彼はペンで書いています」という意味の言葉になります。
この例文での「avec(アヴェク)」は、「〜を使って」という意味の前置詞になり、道具や手段を表しています。
「écrit(エクリィ)」は「書く」「書いている」という意味の動詞の三人称単数現在形になり、原形は「écrire(エクリール)」になります。
ここでは主語の「Il(彼)」に対応して三人称単数現在形の形になっています。
「un(アン)」は「一つの」や「ある」という意味の不定冠詞で、男性名詞の単数形に使われる不定冠詞になります。
ここでは、「stylo(スティロ)」が男性名詞であるため「un」が使われており、「un」は英語の「a」や「an」に相当します。
「stylo(スティロ)」は「ペン」という意味の男性名詞になります。
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Elle coupe le pain avec un couteau
「彼女はナイフでパンを切ります」という意味の言葉になります。
この例文での「avec(アヴェク)」は、「〜を使って」という意味の前置詞になります。
「elle(エル)」は「彼女」「彼女は」という意味になり、女性を示す三人称単数の主語代名詞になります。
「coupe(クゥープ)」は「切る」や「カットする」という意味の三人称単数現在形の動詞になり、原形はの動詞は「couper(クゥーペ)」になります。
ここでは「Elle」に対応する形で現在形が使われているため、現在進行中の行動を表しています。
「le(ル)」は特定のものを指して「その」という意味の定冠詞になり、男性名詞の単数形で使います。
ここでは「pain」が男性名詞であるため「le」がついていて、英語の「the」に相当し、特定のものを指すときに使います。
「pain(パン)」は「パン」を意味する男性名詞になります。
「couteau(クートゥ)」は「ナイフ」という意味の男性名詞になります。
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3. 態度や感情を説明する「avec」
「~を持って」や「~で」という意味になります。
態度や感情を説明する場合にも「avec」を使い、どのような感情や態度を伴って行動が行われたかを説明します。
Il m’a regardé avec surprise
「彼は驚いて私を見ました」や「彼は驚いて私を見た」という意味の言葉になります。
この例文での「avec(アヴェク)」は、「〜をもって」や「〜とともに」という意味の前置詞になり、感情の状態などを意味します。
「m’」は「私を」という意味になり、目的語代名詞「me(ム)」の短縮形になり動詞の前に来ます。
「me(ム)」は母音または無音の”h”で始まる動詞の前に来るとエリズィヨンとなり、短縮形の「m’」に変化します。
「a regardé(ア ルギャルデ)」は「見た」という意味の複合過去形の動詞になり、「regarder(ルギャルデ)」が原形になります。
「a(ア)」は助動詞「avoir(アヴォワール)」の三人称単数の現在形の形、「regardé(ルギャルデ)」は過去分詞の形です。
フランス語の複合過去形は、助動詞「avoir」または「être(エートル)」と動詞の過去分詞で構成され、過去の完了した行動を表します。
「surprise(シュプリーズ)」は「驚き」という意味の女性名詞になり、ここでは「驚いて」という意味になります。
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Elle parle avec gentillesse
「彼女は優しく話します」という意味の言葉になります。
この例文での「avec(アヴェク)」は、「〜をもって」という意味の前置詞になり、相手の態度や状態を表しています。
「gentillesse(ジョンティルエス)」は「親切」「やさしさ」という意味の名詞になり、人の態度や性格の特徴が「優しい」と表現するときに使います。
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4.比較の文脈や混同の意味で使用する「avec」
比較において「~と比べて」や「~に対して」という意味になります。
ある基準や対象と比べてどのように異なるか、またはどう比較されるかを示す場合にも「avec」を使うことがあります。
Il est grand avec ses amis
「彼は友達と比べて背が高い」や「彼は友達といると大きく見える」という意味の言葉になります。
この例文での「avec(アヴェク)」は、「~と一緒に」「~を持っている」という意味の前置詞になり、ここでは「友達と一緒にいるときに」という意味になります。
「est(エ)」は「〜である」や「〜だ」という意味の動詞の三人称単数現在形になり、原形は「être(エートル)」になります。
「grand(グラン)」は「背が高い」や「大きい」「偉大な」という意味の形容詞の男性形になり、ここでは主語の「Il(彼)」の特徴を示しています。
「ses(セ)」は「彼の」「彼女の」という意味の三人称単数の所有形容詞になり、「amis(友達)」が複数形であるため、複数形の名詞に対応して「ses」が使われています。
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confondre le sucre avec le sel
「砂糖と塩を混同する」や「砂糖と塩を間違える」という意味の言葉になります。
この例文の「avec(アヴェク)」は「〜と」という意味の前置詞になり、英語の 「with」に相当します。
「confondre(コンフォーンドル)」は「混同する」、「取り違える」という意味の動詞になります。
「le sucre(ル スュクレ)」は「砂糖」という特定のものを指していて、「sucre」は「砂糖」を意味する男性名詞、「le」は男性名詞に付く定冠詞になります。
「le sel(ル セル)」は「砂糖」という特定のものを指していて、名詞「sel」は「塩」を意味する男性名詞、「le」は男性名詞に付く定冠詞になります。
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5. 特定の表現やイディオムとしての「avec」
「avec」は多くの表現やイディオムで使われています。
まずは以下の例文のイディオム表現を覚えることで、より自然なフランス語を身につけることができるので、しっかりと身につけていきましょう。
Avec plaisir !
「喜んで!」や「どういたしまして」「こちらこそ」という意味でよく使います。
この例文での「avec(アヴェク)」は、「~と一緒に」や「~とともに」「〜をもって」という意味の前置詞になり、手段や方法、状態などを示し、「嬉しさ」「喜び」という状態を表すのに使われています。
「plaisir(プレズィール)」は「喜び」「楽しみ」や「嬉しさ」という感情を意味する男性名詞になります。
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Avec l’âge, on devient plus sage
「年を取るにつれて、人はより賢くなる」や「年齢とともに賢くなる」という意味の言葉になります。
この例文での「avec(アヴェク)」は「~とともに」や「~に伴って」という意味の前置詞になり、条件や同時性、因果関係を示すために使われており、「年齢に伴って」「年を取るにつれて」という意味を表しています。
「l’âge(ラージュ)」は「年齢」や「年」という意味になり、男性名詞「âge(年齢)」に定冠詞の縮約形「l’」がついて、「l’âge(その年齢、年齢)」となり、ここでは一般的に「年を取ること」を指しています。
定冠詞「l’」は母音で始まる名詞の前で「le(ル)」または「la(ラ)」が短縮された形です。
「on(オン)」は「私たちは」や「人は」「人々は」という意味の三人称単数形になり、一般的に「人々」や「私たち」という意味で使います。
フランス語では一般的なことを述べるときに主語として「on」をよく使うので覚えておくと便利です。
「devient(ドゥヴィヤン)」は「〜になる」という意味の動詞の三人称単数の現在形になり、主語の「on」に対応しています。
「plus(プリュ)」は「もっと」や「さらに」「より」という意味の比較級を形成するために使われる副詞です。
「sage(サージュ)」は「賢明な」「賢い」や「おとなしい」という意味の形容詞になります。
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フランス語の前置詞「avec」のまとめ
フランス語の「avec」は非常に汎用性の高い前置詞になり、いろいろな文脈や会話の中で使うことが多く、特に誰かや何かと一緒に行動すること、何かを使って行動する手段、あるいは感情や態度を示すときに使われます。
また、特定のフランス語表現やイディオムでも頻繁に使われます。
「avec」はフランス語における基本的な前置詞ですが、その意味や使い方を理解することで、フランス語の理解が深まり、コミュニケーションがより豊かになることは間違いありません。
意味だけでなく使い方を含めて覚えていきましょう。