【厳選15選】フランス語の心に沁みる洗練されたことわざを紹介
ここでは恋愛や人間関係、ビジネス、お金に関連して、人生に役立つ洗練されたことわざについて、15の言葉に厳選してフランス語で紹介していきます。
生きていると思い通りにいかないことや、壁にぶつかって苦しい時期を過ごすことが多かれ少なかれあると思います。
そんなときに逃げるのも一つの方法かもしれませんが、豊かな人生を望み、成長を求めるのであれば、真摯に向き合い、乗り越えてゆくことが必要なことだと思います。
それでも挫けそうなときや誰かの支えが必要なときに、心に沁みるようなことわざを知ることで気持ちが楽になり、また前向きに生きる力を得られるようになります。
そのようなときに役に立つ、心に届くフランス語のことわざを厳選して紹介していきますので、フランス語の勉強と共に勉強していきましょう。
【恋愛編】人生を豊かにするフランス語のことわざ
ここでは人生の恋愛面で役に立つことわざについてフランス語で学ぶために、日本語の意味からフランス語を紹介し、発音の音声とカタカナでの読み方を含めて解説をしていきます。
恋は盲目
フランス語で
L’amour est aveugle
という表現になり、イギリスの劇作家、詩人のウィリアム・シェークスピアが小説「ヴェニスの商人」の中で残した言葉です。
恋愛は人を夢中にさせ、理性や常識をなくさせてしまい、普段であれば恥ずかしく愚かだと気が付く行為も気づかなくさせてしまう、という戒めの言葉です。
「l’amoure(ラムール)」は「le + amour」の組み合わせになり、ここでは「le」の直後の単語の語頭が母音であるため、エリズィヨンとなり「l’amoure」の形に変化しています。
「le(ル)」は定冠詞になり、特定のものや既に会話や文章中で登場したものを指すときに使い、英語の「the」と同じ働きになります。
「amour(アムール)」は「愛」「恋」「恋愛」「愛情」という意味の男性名詞の単語になります。
「est(エ)」は「être(エートル)」が原形の動詞になり、英語のbe動詞と同じ働きになります。
「aveugle(アヴーグル)」は「目が見えない」「盲目の」や「気がついていない」という意味の形容詞になります。
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果報は寝て待て
フランス語で
Tout vient à point à qui sait attendre
という表現になり、「待てば海路の日和あり」や「急がば回れ」「待つことも必要」という意味のことわざでもあります。
焦って行動したり、結果を出そうと急ぐより、落ち着いて行動ができる人、またしっかりと時間をかけて物事に取り組める人、結果が出るまで忍耐強く待てる人には、望む結果がちょうど良いタイミングで訪れるという意味のことわざです。
「vient(ヴィヤン)」は「venir(ヴニール)」が原形になり、「〜が来る」「〜が到来する」という意味の動詞になります。
「point(ポワン)」は「地点」「点数」「段階」という意味の男性名詞になり、「à point(ア ポワン)」で「ちょうどいいときに」「ほどいいタイミングに」という意味になります。
「qui(キ)」は関係代名詞になり、英語の「who」「that」「which」と同じ働きの単語になります。
「sait(セェ)」は「savoir(サヴォワール)」が原形になり、ここでは「〜することができる」「〜することを心得ている」という意味の動詞になります。
「attendre(アタォーンドル)」は「〜を待つ」という意味の動詞になります。
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女心と秋の空
フランス語で
Souvent femme varie
という表現になります。
秋の空模様が変わりやすいように、女性の心も移ろい、飽きやすく、男性に対する愛情だけでなく、日々の感情や決意、考え方なども含めて変わりやすいことを表していて、「秋」と「飽き」がかかったことわざです。
元は「男心と秋の空」と言われていて、江戸時代によく使われていた日本のことわざで、女性に対する愛情が移りやすい男心、つまり浮気っぽい男性の気持ちの移り変わりを戒め、「浮気っぽい男性には気をつけなさい」という女性への注意を促すためのことわざでした。
これが女心に変わったのは明治時代から大正時代の頃、女性の地位が江戸に比べて向上したあたりからと言われています。
「souvent(スゥヴァン)」は「たびたび」「よく」「頻繁に」という意味の副詞になります。
「femme(ファム)」は「女性」「成人した女性」「妻」という意味の女性名詞になります。
「varie(ヴァリ)」は「varier(ヴァリエ)」が原形になり、「変わる」「変化する」という意味の動詞になります。
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【ビジネス編】人生を豊かにするフランス語のことわざ
ここでは仕事や事業の中で役に立つフランス語のことわざについて、日本語の意味からフランス語を紹介し、発音の音声とカタカナでの読み方を含めて解説をしていきます。
虎穴に入らずんば虎子を得ず
フランス語で
Qui ne risque rien n’a rien
という表現になり、「リスクを冒さなければ大きな成果を得ることはない」や「危険を冒さなければ成功はない」という意味になります。
いつも安全な方法ばかりではなく、ときには危険を冒して違うことにチャレンジしてみることも必要であるという教訓となることわざです。
「risque(リスキ)」は「risquer(リスケ)」が原形になり、「危険を冒す」「〜を危機にさらす」という意味の動詞になります。
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継続は力なり
フランス語で
Petit à petit l’oiseau fait son nid
という表現になり、「鳥は少しずつ巣を作る」という意味になります。
どんなことでも継続して取り組み続けることで必ず成功できるというとこと伝えることわざになります。
スポーツでも事業などでも、継続してやり続けることで日々知識やスキル、経験が積み重なり、成長していきます。
そのため、始めたときの目標やイメージした成功とは違っても、必ず何か果実を得ることができると解釈することもできます。
「petit à petit(プティ タ プティ)」で「徐々に」「少しずつ」という意味になります。
「l’oiseau(ロワゾ)」は「le + oiseau」の組み合わせになり、ここでは「le」の直後の単語の語頭が母音であるため、エリズィヨンとなり、「l’oiseau」の形になっています。
「oiseau(オワゾォ)」は「鳥」という意味の男性名詞の単語になります。
「fait(フェ)」は「faire(フェール)」が原形になり、「〜を作る」「〜を製作する」という意味の動詞になります。
「son(ソン)」は「その」「彼の」「彼女の」という意味の所有を表す形容詞になります。
「nid(ニィ)」は「巣」「ねぐら」「巣窟」という意味の男性名詞の単語になります。
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急がば回れ
フランス語で
Hâtez-toi lentement
という表現になり、「急いては事を仕損ずる」という意味の表現でもあります。
急いでいるときほどミスをしたり、不要なリスクを冒しがちで逆に時間がかかってしまった、という経験が多かれ少なかれあるのではないかと思います。
そんなときほど慎重に物事を進め、遠回りに見えても落ち着いて時間をかけて進める方が最も早いということを伝えることわざになります。
「hâtez(アテ)」は「hâter(アテ)」が原形になり、「急ぐ」という意味の動詞になります。
「lentement(ラォントゥマォン)」は「徐々に」「ゆっくりと」という意味の副詞になります。
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【人間関係編】人生を豊かにするフランス語のことわざ
ここでは人間関係に関連するフランス語のことわざについて、日本語の意味からフランス語を紹介し、発音の音声とカタカナでの読み方を含めて紹介し、解説をしていきます。
十人十色
フランス語で
Il faut de tout pour faire un monde
という表現になり、「千差万別」「三者三様」「蓼食う虫も好き好き」という意味の表現でもあります。
人それぞれ様々な考え、生き方、価値観、好き嫌いがあり、そのような違いがあるという前提を持って相手の立場を理解することで、初めて見えてくるものがあり、尊重できるということを伝えることわざです。
海外で生活をするようになると、多様な文化、多様なバックグラウンドを持った人と接する機会が多くあります。
そんなとき、自分の感覚や価値観に合わないからと腹を立てたりするのではなく、まず相手のバックグラウンドを理解することで、なぜそう考えるのか、なぜその行動したのかが理解できるようになります。
これからの世界においては非常に大切な教訓を教えてくれることわざです。
「il(イル)」は英語の「it」「he」と同じ働きの三人称単数の人称代名詞になります。
「faut(フォ)」は「falloir(ファロワール)」が原形になり、英語の「have to」「must」「need」と同じ働きの動詞になり、ここでは「〜が必要である」という意味になります。
「tout(トゥ)」は「〜のすべて」「〜全体」という意味の形容詞になります。
「pour(プゥール)」は英語の「for」「to」や「in order to」と同じ働きの前置詞になり、ここでは「〜のために」という意味になります。
「faire(フェール)」は英語の「make」「do」と同じ働きの動詞になり、ここでは「作る」という意味のなります。
「monde(モォンドゥ)」は「世界」「世の中に」「この世に」という意味の男性名詞の単語になります。
この言葉を直接訳すと「世界を作るためには全てが必要」という意味になります。
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壁に耳あり障子に目あり
フランス語で
Les murs ont des oreilles
という表現になります。
こっそりと内緒話のつもりで話していても、どこで誰が聞いていたり、見ているかわからない、またどこから話が漏れるかわからないから気をつけなさい、ということを教訓として伝えることわざです。
これは内緒話に限らず、人の悪い噂話や悪口などもどんな形で人に伝わるかわからないので、言わない方が良いという戒めの言葉とも取れます。
「mur(ミュール)」は「壁」、石や土でできた「塀」「城壁」という意味の男性名詞の単語になります。
「ont(オン)」は「avoir(アヴォワール)」が原形となり、英語の「have」と同じ意味の単語になり、ここでは「〜がある」という意味になります。
「oreille(オレイユ)」は「耳」や「聴覚」という意味の女性名詞の単語になります。
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人にされたくないことを他人にするな
フランス語で
Ne fais pas à autrui ce que tu ne voudrais pas qu’on te fit
という表現になり、「己の欲せざるところは人に施すことなかれ」という孔子の論語の名言でもあります。
自分が人にされたくないことは他の人にもしてはならない、そうすることで仕事においても家庭においても人に恨まれることはない、ということを伝えることわざになり、人と良い関係を築く上で基本中の基本となる教訓になります。
「ne(ヌ)」は「〜ない」と否定を表す副詞になります。
「autrui(オトリュイ)」は「他人」という意味の代名詞になります。
「voudrais(ヴゥドレ)」は「vouloir(ヴロワール)」が原形になり、「〜が欲しい」「〜を望む」という意味の動詞になります。
「fit(フィ)」は「faire(フェール)」が原形になり、「〜をする」「〜を行う」という意味の動詞になります。
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【人生編】人生を豊かにするフランス語のことわざ
ここでは人生を豊かにし、気持ちが楽になることわざについて、日本語の意味からフランス語を紹介し、発音の音声とカタカナでの読み方を含めて解説をしていきます。
明日は明日の風が吹く
フランス語で
Demain il fera jour
という表現になります。
このことわざには「未来を心配してもどうにもならないので、成り行きに任せるのがいい」という教訓や、「今の状況は悪いかもしれないが、明日になればまた別の状況が訪れ、改善される」という教訓が込められています。
このことわざの受け取り方は人それぞれで、ネガティブな意味で受け取る人やポジティブな意味で受け取る人がいるので、相手の状況や伝え方は気をつけたほうがいいかもしれません。
「demain(ドゥマン)」は「明日」、または「近い将来」「まもなく」という意味の副詞になります。
「fera(フラ)」は「faire(フェール)」が原形になり、「〜する」という意味の動詞になります。
「jour(ジュール)」は「1日」「日」という意味の男性名詞になります。
この表現を直接訳すと「今日急いでやる必要はない、明日という日もある」という意味になります。
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人生は一度きり
フランス語で
On n’a qu’une vie
という表現になります。
この言葉を意識せずに生きていると、毎日が繰り返しのように感じてしまい、やるべきこと、やりたいことを先延ばしにしてしまいがちですが、漫然と過ごした日々はもう二度と戻ることはなく、人生をリセットしてやり直すこともできないという戒めともなることわざです。
一度しかない人生を誰かの言いなりで生きるのではなく、自分がしたいことをして、明日もし死ぬとしても後悔がないように生きることが何よりも大切だということを気づかせてくれる教訓でもあります。
「une(ユヌ)」は「1つの」「1個の」「1人の」という意味の形容詞になり、ここでは修飾する名詞「vie(ヴィ)」が女性名詞であるため、女性形に変化しています。
「vie(ヴィ)」は「一生」「人生」や「命」「生活」という意味の女性名詞の単語になります。
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命ある限り希望がある
フランス語で
Tant qu’il y a de la vie, il y a de l’espoir
という表現になり、「命があるのであれば、希望はいくらでもある」という意味でもあります。
生きていれば大きな挫折や敗北、また自分ではどうにもならない状況に陥ることがあると思います。
絶望に打ちひしがれて、ここで人生を終わりにしたいと感じてしまうこともあると思います。
しかし、命さえあればその状況から立ち上がることもできるし、挫折や敗北から学び、より強くなってより良い人生を過ごす希望も生まれます。
「生きてさえいれば必ずどうにでもできる」ということを教えてくれることわざになります。
「tant + que(タン クュ)」は「〜する限り」という意味の表現になります。
「l’espoir(レスポワール)」は「le + espoir」の組み合わせになり、ここでは定冠詞「le(ル)」の直後の単語の語頭が母音であるためエリズィヨンとなり、省略されて「l’espoir」の形になっています。
「espoir(エスポワール)」は「希望」「望み」「期待」という意味の男性名詞の単語になります。
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【お金編】人生を豊かにするフランス語のことわざ
ここでは人生において非常に重要なお金に関することわざについて、日本語の意味からフランス語を紹介し、発音の音声とカタカナでの読み方を含めて解説をしていきます。
悪銭身につかず
フランス語で
Bien mal acquis ne profite jamais
という表現になります。
悪事や人を騙したりして手に入れたお金、またギャンブルなどで急に儲けたお金はすぐに消えてなくなってしまうものだということを教えてくることわざです。
人の役に立つことや喜ばれること、世の中の問題を解決することをして、良いお金を正しく稼ぐことが正解であるという教訓になります。
「bien(ビヤン)」は「財産」「利益」や「善行」「良いこと」という意味の男性名詞の単語になります。
「mal(マァル)」は道徳的に「不正に」「悪く」という意味の副詞になります。
「acquis(アキ)」は「獲得した」という意味の形容詞になります。
「profite(プロフィトゥ)」は「profiter(プロフィテ)」が原形になり、「〜から利益を得る」「役に立つ」という意味の動詞になります。
「jamais(ジャメ)」は否定を表す「ne(ヌ)」とともに「決して〜ない」「一度も〜ない」という意味の副詞になります。
この表現を直接翻訳すると「悪いことをして手に入れた財産は決して役に立たない」という意味になります。
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幸せはいつも自分の心が決める
フランス語で
L’argent ne fait pas le bonheur
という表現になります。
お金があればもっと幸せになれるのに、と考えてしまうことは誰しもあるのではないかと思います。
しかしお金を持っていても幸せでない人は思っているよりも多くいるものです。
幸せとは自分の外にあるものを得ることで掴めるものではなく、自分の内面を充実させることで感じることができる感情であるということを教えてくれることわざになります。
「l’argent(ラァルジャン)」は「le + argent」の組み合わせになり、ここでは定冠詞「le(ル)」の直後の単語の語頭が母音であるため、エリズィヨンとなって省略され「l’argent」の形となっています。
「argent(アルジャン)」は「財産」「お金」や「銀」という意味の男性名詞の単語になります。
「fait(フェ)」は「faire(フェール)」が原形になり、ここでは「〜になる」という意味の動詞になり、英語の「make」「do」と同じ働きの単語になります。
「pas(パ)」は「ne + 動詞または助動詞 + pas」の組み合わせで、「〜ない」「〜でない」という否定を表す言葉になります。
「bonheur(ボヌール)」は「幸せ」「幸福」「喜び」という意味の男性名詞の単語になります。
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親しき中にも礼儀あり
フランス語で
Les bons comptes font les bons amis
という表現になります。
友人や家族など親しい関係の間柄にあっても、特にお金の扱いは慎重に行うべきであるということを教えてくれる戒めとなる教訓です。
親しい関係にあると、つい甘えが生じて「このくらいは大丈夫だろう」と考えてしまいがちですが、このような甘えを積み重ねていくと相手の心の中には不満や不信感が少しづつ溜まっていき、いつの日か関係が破綻してしまうということがあります。
仲の良い友達であったとしても、守るべき約束や礼節はしっかりと守ることが大切であり、長く信頼関係を築いていく上でとても大切なことであるということを教えてくれることわざになります。
「comptes(コォントゥ)」は貸借りの「勘定」や「会計」「計算」という意味の男性名詞の単語になります。
「amis(アミィ)」は「友人」「友達」「仲間」という意味の名詞になります。
この表現を直接翻訳すると「良いお金のけじめは良い友達を作る」という意味になります。
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心に沁みるフランス語のことわざのまとめ
ここでは人生の大事な場面や苦しい場面で役立つことわざについて、厳選してフランス語とその説明を交えながら紹介をしてきました。
長い人生を生きている中で、さまざまな言葉やことわざに触れることで心が楽になったり、八方塞がりと思っていた状況に光が差し込むような、心に沁み込む感覚を味わったことがある人も多いのではないでしょうか。
そんな良い言葉やことわざについて、フランス語を学びながら覚えてみましょう。